2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

明治憲法による差別政策~

壬申戸籍の後に明治憲法が制定された。明治憲法はアジアで最初の憲法という意味では一定の歴史的な評価はできるが,部落差別を生み出す原因だった。~ 明治憲法の問題点を、部落差別の観点から列記するとこうなる。~人権に法律の留保があった。~ ?24条:裁…

壬申戸籍による差別政策~

新たな族籍を作りだした壬申戸籍には、職業も記載様式に含まれており、華族、士族では主に禄高を、平民では農工商雑と記され、業種も記載された。業種も記載されるわけだから、雑と記載された平民のかなりの数が旧賤民であるということにならざるをえない。 …

解放令をどうとらえるか~

解放令は、賤民身分を族籍において平民としたものである。1871年(明治4年)に明治政府により「穢多非人等ノ稱被廢候條 自今身分職業共平民同様タルヘキ事」との布告(解放令)が出されたものである。 旧百姓、職人、町人身分は平民となり、旧賤民も平…

四民平等ではなかった~

教科書には四民平等とあるが、実際には四民平等ではなかったことが、部落問題の始まりなのです。明治2年(1869年)の版籍奉還の後、従来の身分制度の公卿・諸侯の家は華族となることが定められました。また、藩に属する者の身分階級は、士族、卒族に編…

形式的な解放令(「詳説日本史B」242ページ)~

17世紀末ころから幕藩体制が変化しはじめると,幕府や諸藩は、最下層の身分であるえたなどに対し,居住地・職業・服装などの生活のあらゆる面において差別を強化し,宗門帳の別帳化をはじめ農工商との差別を深めさせた。このため、18世紀後半ころから、…

四民平等(「詳説日本史B」241ページ)~

国内統一と並行して,封建的身分制度の撤廃も進められた。版籍奉還によって藩主と藩士の主従関係が解消され,藩主を公家とともに華族,藩士や旧幕臣を士族とした。同時に「農工商」の百姓・町人は平民となり,苗字(名字)が許され,華・士族との結婚や,移住・…

部落問題の始まりは明治時代~

江戸時代は身分秩序の時代であり、身分による差別はあたりまえの時代であった。よって、そもそも江戸時代には部落問題は無かったという捉え方が正解である。では、いつから始まったのか、それは明治時代からである。以下に山川出版による記述を挙げるが、こ…

身分秩序(「詳説日本史B」170ページ~

近世社会は,身分の秩序を基礎に成り立っていた。武士は政治や軍事を独占し,苗字・帯刀のほかさまざまの特権を待つ支配身分で,将軍を頂点に大名・旗本・御家人などで構成され、主人への忠誠や上下の別がきびしく強制された。天皇家や公家,上層の僧侶・神…

江戸時代には部落問題はなかった、身分秩序があった~

高校日本史の教科書で代表的な教科書が、山川出版社「詳説日本史B」である。2010年3月5日発行の最新版の記述には,部落問題に関する最新の研究成果が取り入れられている。社会身分形成説というべき「身分秩序」論である。昔から言われてきた「士農工商…

なぜ「部落」の授業をしてはいけないのか

なぜ「部落」の授業をしてはいけないのか その理由に入る前に、歴史教科書における身分制の記述が歴史研究の成果が反映されて大きく変わっているということが認識されているかということが大切です。典型例は、高等学校教科書の日本史詳説B(山川出版)を始…

戒名に関して

日本人の戒名の始まり今から約2500年前に インドでお釈迦様が始めた仏教には、戒名の制度や習慣が存在していなかったことは、あまり知られていません。また仏教の国、タイには葬式仏教は存在しません。それと唐招提寺や東大寺などのお寺には葬式仏教は存在し…

奥付と族籍

奥付に族籍を記入する例は族籍が定められてから記入されている。記入することは出版条例としては必ずしも義務づけられてはいなかったようだ。記入するしないは、発行者の判断だったと考えられる。要は、出版に際して、華族、士族、平民という族籍をどれだけ…

明治の出版条例

明治政府は1869(明治2)年、出版の許可制を設ける条例を布告した。 1875年(明治8年)の時代に偽版の本が出まわり所在を明らかにするのに「出版条例」を制定した。 1887(明治20)年に全面改正が行われ、新聞、雑誌など定期刊行物を規律す…

奥付にみる族籍意識

奥付にみる族籍意識

同和対策事業終了の理由

なぜ、同和対策の法が終了したのか? (1)はじめに なぜ同和対策事業の法律はなくなったかのかということは、成人教育、公務員研修、教員研修でも全く教えられていないのです。なぜ、同和対策事業は始まったのかについては、それこそ耳にたこができるくら…

奥田均ですら「最後の越えがたい壁の崩壊」と言う

奥田均ですら「最後の越えがたい壁の崩壊」と言う 2008年八尾市「じんけん楽習塾」第3回講座(6月25日)のテーマは、「結婚差別を考える」で、講師が、奥田均(八尾市人権協会会長、近畿大学教授)であった。その講義内容と感想文が、八尾市人権協会…