2011-07-16から1日間の記事一覧

部落問題・部落差別とは何か~

明治時代になり、四民平等とは名ばかりで、江戸時代の旧身分秩序は、明治憲法、旧民法、旧戸籍法など制度的不備により、不十分な解体しかなされなかった。よって職業、結婚などの自由も不十分なものとなり、旧身分秩序の賤民身分に対する差別意識も払拭され…

結婚差別と就職差別に関して~

日本国憲法第24条において「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関…

家制度による差別政策~

家制度(いえせいど)とは、1898年(明治31年)に制定された民法(以降、旧民法という)において規定された家族制度であり、親族関係を有する者のうち更に狭い範囲の者を、戸主(こしゅ)と家族として一つの家に属させ、戸主に家の統率権限を与えてい…

明治憲法による差別政策~

壬申戸籍の後に明治憲法が制定された。明治憲法はアジアで最初の憲法という意味では一定の歴史的な評価はできるが,部落差別を生み出す原因だった。~ 明治憲法の問題点を、部落差別の観点から列記するとこうなる。~人権に法律の留保があった。~ ?24条:裁…

壬申戸籍による差別政策~

新たな族籍を作りだした壬申戸籍には、職業も記載様式に含まれており、華族、士族では主に禄高を、平民では農工商雑と記され、業種も記載された。業種も記載されるわけだから、雑と記載された平民のかなりの数が旧賤民であるということにならざるをえない。 …

解放令をどうとらえるか~

解放令は、賤民身分を族籍において平民としたものである。1871年(明治4年)に明治政府により「穢多非人等ノ稱被廢候條 自今身分職業共平民同様タルヘキ事」との布告(解放令)が出されたものである。 旧百姓、職人、町人身分は平民となり、旧賤民も平…

四民平等ではなかった~

教科書には四民平等とあるが、実際には四民平等ではなかったことが、部落問題の始まりなのです。明治2年(1869年)の版籍奉還の後、従来の身分制度の公卿・諸侯の家は華族となることが定められました。また、藩に属する者の身分階級は、士族、卒族に編…

形式的な解放令(「詳説日本史B」242ページ)~

17世紀末ころから幕藩体制が変化しはじめると,幕府や諸藩は、最下層の身分であるえたなどに対し,居住地・職業・服装などの生活のあらゆる面において差別を強化し,宗門帳の別帳化をはじめ農工商との差別を深めさせた。このため、18世紀後半ころから、…

四民平等(「詳説日本史B」241ページ)~

国内統一と並行して,封建的身分制度の撤廃も進められた。版籍奉還によって藩主と藩士の主従関係が解消され,藩主を公家とともに華族,藩士や旧幕臣を士族とした。同時に「農工商」の百姓・町人は平民となり,苗字(名字)が許され,華・士族との結婚や,移住・…

部落問題の始まりは明治時代~

江戸時代は身分秩序の時代であり、身分による差別はあたりまえの時代であった。よって、そもそも江戸時代には部落問題は無かったという捉え方が正解である。では、いつから始まったのか、それは明治時代からである。以下に山川出版による記述を挙げるが、こ…

身分秩序(「詳説日本史B」170ページ~

近世社会は,身分の秩序を基礎に成り立っていた。武士は政治や軍事を独占し,苗字・帯刀のほかさまざまの特権を待つ支配身分で,将軍を頂点に大名・旗本・御家人などで構成され、主人への忠誠や上下の別がきびしく強制された。天皇家や公家,上層の僧侶・神…

江戸時代には部落問題はなかった、身分秩序があった~

高校日本史の教科書で代表的な教科書が、山川出版社「詳説日本史B」である。2010年3月5日発行の最新版の記述には,部落問題に関する最新の研究成果が取り入れられている。社会身分形成説というべき「身分秩序」論である。昔から言われてきた「士農工商…