解放教育とは

1965 (昭和40)年の部落解放同盟の内部分裂以後、中央本部派が従来の同和教育に対置させて提唱しはじめた教育。 1967年 7月に結成された全国解放教育研究会の「会則」によると、この会は、「解放同盟の方針に沿い、解放教育の推進をはかる自主的な組織」であるとされ、「部落出身教師と部落解放運動にかかわる教育関係者によって構成され、部落解放同盟中央本部の指導と援助によって、部落解放運動の一環としての解放教育をすすめようとするもの」であり、「解放教育を歪曲・否定しようとする一切の志向、および、新しい形の融和教育とねばり強くたたかい、部落解放教育の確立・発展をめざす」と述べられている。すなわち解放教育とは、日本国憲法教育基本法本・学校教育法に直接もとづかないで、部落解放同盟中央本部の方針に沿い、その指導と援助によって部落解放運動の一環として推進される教育のことを指すのである。解放教育の名のもとに「語り」、「部落民宣言」、「狭山学習」、「狭山同盟休校」などが公教育の現場にもちこまれ、さまざまな矛盾と混乱がひきおこされるにともない、民主教育の一環としての自主的・民主的同和教育の確立・推進をさまたげるものとして、部落内外をとわず国民の批判を浴びた。