窓口一本化

「窓口一本化」とは、ある特定の運動団体や組織が同和行政の窓口を独占することによって、その団体に所属しない者やその団体の方針にしたがわない者は、たとえ同和地区の住民であっても、同和行政の対象から除外するというやり方であった。「窓口一本化」は、「いかなる運動にも普遍性をもつ『集中』の原則」であり、「闘うものの論理・規律であり、部落の統一と団結の基礎である」とか、「窓口一本化は『闘わざる者とるべからず』の論理」であり、「闘わない者にも運動の成果を与えることは、部落の統一と団結を弱めることになる」などと部落解放同盟は主張し、部落解放同盟以外の運動団体に所属する地域住民同和行政の対象から排除させた。しかし、所属団体や思想・信条のちがいを同和行政の受給要件とする「窓口一本化」は、憲法地方自治法に規定されている行政の公平性の原則に明らかに反するだけでなく、「窓口一本化」を容認し、行政事務の一部を特定の運動団体や組織にゆだねることは、行政の主体性と行政責任を規定した地方自治法に違反する行為であり、行政権の放棄にほかならなかった。したがって、政府も「窓口一本化」の不当性を否定できず、 1970(昭和45)年以来いくたびとなく「通達」や国会答弁を通じて、同和行政がすべての住民に等しくおよぶよう行政の公平性の確保を要請してきており、総理府に設置されている同和対策協議会も、同様の見解をもりこんだ意見書をしばしば内閣に提出している。また、「窓口一本化」によって同和行政の受給対象から排除された人たちが、その不当性を裁判所に訴えて闘って勝利を勝ち取った。大阪では、裁判によって部落解放同盟による「窓口一本化」の違法性を示されると、「**同和事業促進協議会」(実質が部落解放同盟)による「窓口一本化」が行われるなど、弊害が特別措置法が終了するまで続いた。法が終了してからも「**同和事業促進協議会」は「**人権協会」と名前を変えて、同和利権を得ようとしている。