近代化論とは

 社会発展の歴史を「近代化」の過程とみなし、その「近代化」を工業化や都市化の度合い、マス・コミュニケーション(新聞・ラジオ・テレビなど〉や教育の普及など多くの外面的な指標でとらえていく考え方のことを一般的には言う。
近代化論の本質は、社会主義も資本主義もひとしく「近代化」の過程としてとらえ、社会体制の相違を問題にしないことにある。
近代化論は,第2次大戦後わが国にも導入され、とくに「高度経済成長」のもとで近代化政策、近代化路線を推進する理論としてもてはやされた。
部落問題とのかかわりにおいては、たとえば同和対策審議会答申にも示されているように、近代化政策、「高度経済成長」政策を推進していけば部落問題は解決されるとする近代主義的な見解に現れた。
部落問題に関して言えば、近代化論によって解決されるべき課題であったといえる。