中学校・私家版歴史教科書「同和問題に関わる部分」

(1)中世・・・社会と文化・・・コラム程度で庭園に関することで触れるのがよい。

室町文化から(枯山水の庭園)
 京都の竜安寺大徳寺大仙院などの庭園は,岩石と砂利を組み合わせて自然の山や水を表現する枯山水とよばれる方法でつくられました。この庭つくりにはでは、河原者(山水河原者)とよばれた低い身分の人々が活躍しました。銀閣の庭をつくった善阿弥が有名です。

(2)近世・・・身分秩序・・・身分差別というとらえかたではなく身分秩序というとらえかたが望ましい。

*身分秩序
 江戸時代は、身分の秩序をもとに成り立っていました。支配身分としては、将軍をはじめとする武士がありました。行政、裁判、軍事などを担当していました。天皇家や公家なども支配身分でした。
 被支配身分としては、農業を中心に林業・漁業をおこなう百姓(主に村に住む人)、大工や鍛冶などの手工業者である職人、商業を営む商人を中心とする町人(主に都市に住む人)、などがありました。
 このほかの被支配身分として、宗教者、芸能者など職業や居所によって区別される人もいました。さらに、下の身分におかれたのが賤民(かわた、非人)でした。かわたは、百姓と同じように村をつくり、農業をおこない、皮革、細工物などをつくりました。死牛馬の処理や清掃業、罪人の取り締まりの手伝いなどを行いました。非人は、貧困や刑罰などによってされる事が多く、罪人の世話や村や町の番人や乞食、芸能などを行いました。

(3)近世・・・差別の強化・・・東京書籍、日本文教出版が差別の強化に関して触れているが、触れる必要性はない。

(4)近世・・・解体新書・・・東京書籍、教育出版、帝国書院が詳しく触れているが、詳しく触れる必要はない。

(5)近世・・・渋染一揆・・・東京書籍、教育出版、帝国書院日本文教出版が詳しく触れているが、触れる必要性はない。

(6)近代・・・江戸時代の身分秩序の廃止・・・明治時代の身分秩序に触れることが必要である。その中で、賤民廃止令(解放令)に触れる必要がある。

*江戸時代の身分秩序の廃止
 1869年明治政府は、江戸時代の身分秩序を廃止しました。そして、天皇の一族を皇族、公家と大名などを華族、武士を士族としました。
 政府は、華族・士族に対して秩禄というものを1876年まで与えて生活の保障をしました。
 百姓と町人は平民とし、華族・士族との結婚や,移住、職業選択の制限が廃止されました。全ての国民は名字(姓)を名のることができるようになりました。
 1871年には、賤民とされていた人々を賤称廃止令(解放令)によって平民としました。しかし、なかば封建的な諸制度が残ったこともあって、結婚、移住、職業選択などの差別は十分に解消されませんでした。
 1872年には、華族・士族・平民という新たな身分(族籍)にもとづく戸籍がつくられ完全な四民平等にはなりませんでした。
 
(7)近代・・・米騒動と部落問題・・・清水書院が、関わりについて触れているが、触れる必要性はない。

(8)近代・・・水平社創立・・・各社が触れているが、社会運動の高まりのなかで、軽く触れる程度でよい。

*賤称廃止令(解放令)が出されたのちも、差別が解消されなかった人々は、1922年に全国水平社を結成し、問題解決に取り組みました。

(9)戦後・・・部落解放運動・・・東京書籍、日本文教出版、教育出版、清水書院が触れているが、触れる必要性はない。

(10)現代・・・今日の部落問題・・・東京書籍、教育出版、清水書院が触れている。コラムにて、問題可決に至っている現状に触れるべきである。

*1945年に連合国に敗戦した日本は、新しい日本国憲法をつくりました。この日本国憲法の基本理念は基本的人権の尊重、国民主権、平和主義です。
 基本的人権の尊重が具体化される必要性から、同和問題の解決を図るために1965年に同和対策審議会答申が出され、数度にわたる法律がつくられさまざまな施策がなされました。2002年には、これ以上特別対策を続けることは差別の解消にならないとして法律は終了しました。