2012年同和問題意識調査(泉南市くらしやすいまちづくりに関するアンケート調査)の根本的問題

*このアンケートは、泉南市が考える特定の考え方を、市民が持っているとして、その特定の考え方の是非を市民に押しつけるものではないのか。
 問1の人権問題に関する考え方の例だが、(8)結婚しないで子どもを産んでもよい(12)男同士、女同士の結婚を認めるべきだ、というものまである。
 「産んでもよい」という泉南市民の意識ならどのような施策を考えるのか。逆に「産んではいけない」ならどうするのか。
 いわゆる「同性婚」も同様である。

*このアンケートは、泉南市が上から目線で考えた特定の結論を導き出そうといたものではないのか。
 上から目線の例だが、問3の結婚相手の条件に関するもので、自分の場合、子どもの場合と尋ねている。自分が未婚である人にまで、自分の子どもがいると仮定させて、しかも未婚と仮定させて答えさせている。該当蘭の「15、初婚であること」である。結婚したことがない市民、結婚したくてもできない市民のことを泉南市はどのように考えたのか。
 結婚の条件の該当蘭に「3,家庭環境」「10,健康状態」などがあり、この条件を満たしていても、次のような場合はどうですかと尋ねている。
「(1)同和地区出身者」・・「(3)車いすが必要な人」・・「(6)親族に犯罪歴のある人」などをあげている。
 これは、(1)から(6)までの人を特別視して、これらの人に対する結婚差別があるかのごとき結論を導き出そうとしている。
 問5の住宅を選ぶ際に、価格や立地条件が希望にあっていても、次の場合はどうですかと尋ねている。
「(1)同和地区の地区内である」・・「(5)近くに精神科病院がある」などをあげている。価格と立地条件のなかにすべての場合が含まれているのにもかかわらず、(1)から(6)までを特別視して、これらに対する土地差別があるかのごとき結論を導き出そうとしている。

泉南市は、特別法が終了して地区指定がなくなって10年が経過した今でも、法的に「同和地区」が存在し、「同和地区出身者」が存在していると考えているのではないか。考えているからこそ、このアンケートでは何の説明もなく「同和地区」とか、「同和地区出身者」とか言う用語が使用されている。

*「人権侵害を受けた経験についてお聞きします。」と言って、問6で、「あなたは、過去5年間に自分の人権を侵害されたと感じたことがありますか。」と尋ねている。泉南市は、人権侵害というものを「感じた、感じなかった」という、感覚の問題をしてとらえているのではないか。 
 人権侵害は、具体的な事実、具体的な事例としてあるのものではないか。
 さらに人権侵害を受けたと感じた際の対応について尋ねているが、「感じた」からといって、例えば「4,公的機関に相談した」すれば、「感じた」事例として、泉南市の人権相談窓口は相談を受けて、人権問題として対応するつもりなのか。

*問17で、あなたは同和地区出身者の友人や知人がいますか、と尋ね、「4,家族・親族がいる」かどうかまで尋ねている。泉南市民は友人、知人と付き合う際には同和地区出身者を考えてつきあえと言っているのではないか。家族、親族に同和地区出身者がいるかを尋ねるということは、あなたは同和地区出身者かどうかを意識しなさいと言ってるのではないか。
 分け隔てせずに、特別視せずに、友人、知人、親族とつきあってこそ同和問題は解決するのではないか。