泉南市土地開発公社解散プランの問題点と解決法
1、泉南市土地開発公社の問題点
泉南市は昭和46年(1971年)に泉南市開発協会を設立し、昭和48年(1974年)に泉南市土地開発公社を設立している。平成9年度(1997年)に泉南市は開発協会を解散し、資産を開発公社に継承している。
土地開発公社取得時の事業名は7つあるが、事業番号7は開発協会が昭和47年度に同和対策事業の持家制度用地として取得したものである。同和対策事業は10年前に終了しているのにもかかわらず、同和対策事業旧持家制度用地として残しているものである。40年以上も同和対策事業旧持家制度用地を放置し続けたことは、泉南市が乱脈不公正な同和対策事業を行い、その後始末をしていないという証拠である。
事業番号4の樽井駅前広場代替用地は、昭和48年に取得されているが、これまた放置されてもうすぐ40年である。
事業番号1の市場岡田線用地、事業番号2の信達樽井線用地も、事業にとって不必要な用地を取得して放置したのである。
2、第3セクター等改革推進債償還計画の問題点
借入額66億790万円、償還年数30年(据置期間なし、元金均等払)、年利率2,0%で、合計約86億円を返済するとしている。
土地開発公社が保有する用地の簿価は約67億である。償還年数、据置期間なし、元金均等払、いずれも不適当である。年利率も不当に高く設定されている。第3セクター等改革推進債の利率だが、滝川市をはじめとして1.0%という金利を設定している自治体も多い。長期間、高金利で、合計約86億円を30年かけて返済するのは、引受銀行を儲けさせ、市民負担増を招くだけである。この償還計画では、市民の負担軽減のメリットはない。
3、市が買い戻し、公社解散特別会計で処理を
泉南市土地開発公社は解散させ、保有する用地を市が購入し公社解散特別会計として処理するのが望ましい。開発公社の債務は、泉南市が代位弁済する形で引き継げばよい。普通、縁故債の市中銀行引き受けレートは1,5%以下である。引き受けレートに関しては、約67億円の債務は、分割コンベンショナル方式で1.0%以下の金利を提示する銀行に分割して引き受けさせればよいのである。
償還年数は30年以上、据置期間あり、元金のみ均等支払い、金利は一般会計から補填するのが望ましい。
さらに、市民から銀行金利より高めの金利でミニ公募債を募集するなど行うことも考えるべきである。
4、個別の土地と今後の方針
事業番号6の宮川用地は改修用地として必要であるので事業化されるまで保有すべきである。その他の用地はすべて売却して、公社解散特別会計で処理をすべきである。宮川用地を除く鑑定額は約13億円であり、オークションにかけて鑑定額以上で売却すべきである。単純計算によると、債務は約67億円から約54億円に軽減される。
5、財政健全化の取り組み関しての問題点
泉南市は乱脈不公正な同和対策事業を行い、その後始末をしていないことは、同和更正資金問題一つをとっても明らかである。同和の特別扱いが、財政健全化を妨げてきたことを、まず反省すべきである。
財政健全化に名を借りた事務事業の見直しの中で、保育所民営化、学校園用務員民間委託、文化ホール等の指定管理者制度の活用があるが、いずれも市民サービスの責任放棄につながるものでありただちに止めるべきである。
同和対策事業が終了して10年がたつ。同和がらみの特別扱いの各種補助金、負担金はただちに止めるべきである。同和がらみの特別扱い事業も廃止すべきである。青少年センター、人権ふれあいセンターを廃止し、施設は売却すべきである。また旧鳴滝第1小学校用地も売却すべきである。