「解放教育」とはなんですか。

 1965年の部落解放同盟の分裂以後、中央本部派が従来の同和教育に対置させて提唱しはじめた教育。 1967年に結成された全国解放教育研究会の「会則」によると、「解放同盟の方針に沿い、解放教育の推進をはかる自主的な組織」であるとされ、「部落出身教師と部落解放運動にかかわる教育関係者によって構成され、部落解放同盟中央本部の指導と援助によって、部落解放運動の一環としての解放教育をすすめようとする」教育のことです。すなわち解放教育とは、部落解放同盟中央本部の方針に沿い、その指導と援助によって部落解放運動の一環として推進される教育のことです。解放教育の名のもとに、「部落民宣言」、「狭山学習」、「狭山同盟休校」などが公教育の現場にもちこまれました。
 大阪では、全国解放教育研究会、解放教育研究所(部落解放同盟付属の機関)によって、1970年から副読本「解放教育読本・にんげん」が作られ、府教委によって小中学校に無償配布され、使用が義務づけられました。
 「にんげん」は、部落解放同盟の運動員作り、賛同者作りを目的とした副読本だったので、「特定思想を教育の場で押し付けることは憲法に反する」などの批判を浴びました。
 1998年に、「解放教育」に対する批判をかわすために「解放教育読本」から「人権教育読本」と名称が変更されました。さらなる批判に耐えきれず、同和対策事業の終了もあいまって2008年無償配布は終了された。2012年解放教育研究所も解散するなど、解放教育は完全に破綻しました。