「もし、将来部落差別にあうかもしれない。だから教えないといけない。」のでしょうか。

 部落差別として将来あうものとしてあげられてきたものに、就職差別と結婚差別があります。就活の時代と言われる今日、就職差別を企業はできるのか、婚活の時代と言われ非婚化、未婚化が進む今日、結婚差別を本当にできるのかといえば、ほとんどありえないのが実情です。
 就職に関して言えば、ワンマン零細企業、大企業でも労働者を使い捨てにするブラック企業ならあり得るのかもしれません、まともな企業では旧身分を理由に就職を拒否しません。労働者を使い捨てにするブラック企業の見分け方を教える方が重要でしょう。
 結婚に関して言えば、田舎で「家制度」がまだ残っているような地域では、出自等を理由に「親戚がいるし、周囲の目もあるし、付き合いをしてかなければならないので結婚に反対だ。」という人もまだいるでしょうが、こんなところに婿や嫁のきてがないのが実情です。
 婚活時代における結婚とはどういうことなのかを教えることの方が重要でしょう。
 非婚化、未婚化が進み、戸籍上の結婚をしたカップルの半分近くが離婚する時代です。若者の結婚に至る過程を見ても、知り合い、同居し、結婚届をだし、最後に結婚式がある(しない若者もいる)のが常態化しています。
 「家制度」が前提となるような「結婚」を望むような低い人権意識の持ち主と結婚するのは、最悪の選択だというようなことは教えるべきでしょう。
 部落差別によって将来、就職差別や結婚差別を受けると教えるのは、間違った事実認識をすり込むだけなので、やめるべきです。