教師は地域のことを知っておかなければならないとしてフィールドワークと称して同和対策事業が行われた地域に行くことは必要なことでしょうか。


 教育委員会などが新任教員研修の一環として同和対策事業が行われた地域を特別に取り上げたフィールドワークなるものを今なお行っています。
 「部落差別の現実に学ぶ‥・」と称して、新任教員にここが「部落」だと教え、部落解放同盟関係者を講師に招いて、現在もなお十年一日のごとく「部落差別の現実」の厳しさのみを強調し、あたかも変化がないという「部落差別の現実」なるものを教え込む教育委員会もあります。
 教師は、勤務する校区のことを知っておかなければならないのは、当然です。小学校の社会科学習で地域学習もあり、研鑽を積むのは当然のことです。校区に同和対策事業が行われた地域があったとしても、他の地域と異なった特別な地域として教師に認識させるのは誤りです。教師に特別な地域として認識させていては、児童・生徒にも特別な地域として認識させることになります。
 名所、旧跡、歴史的遺産を見学するためにフィールドワークが行われ、先生集団が当該地域を歩き回っているのを見た住民の中には、誇らしく感じる住民がいるでしょう。それに対して、ここが「部落」だよと教えるためのフィールドワークが行われ、先生集団が当該地域を歩き回っているのを見た住民の中には、「私たちは見せ物ではない」と感じる住民がいるでしょう。
 こういうフィールドワークは部落差別問題の解決にとって大きなブレーキの役割を果たしています。