「将来部落差別に合うから教えよと」言われたが?


(回答) 憲法基本的人権の大切さがわかれば対処できます。

教育は、基本的人権の主なものは教えなけれ
ばいけません。現実に若者が直面している労働
基本権やパワハラについて、自己責任でなく社
会のありようの問題であることを教えることは
重要です。
部落問題はどうでしょうか。封建社会から尾
を引く問題で、今日の日本社会から消滅しつつ
ある問題です。出会う可能性は「可能性」とい
う意味ではゼロではありません。でも、何時間
も取り上げて教えなければ対処できない問題で
しょうか。偏見や差別は、いじめと同じで特に
根拠があって行われるとは限りません。個別の
事象について根拠がないことをいちいち学習す
ることは不可能ですし、必要ありません。
「人間は、みんなおなじようにかけがえのな
い値打ちがある」ということ、憲法97条に示す
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、
人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であ
つて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、
現在及び将来の国民に対し、侵すことのでき
ない永久の権利として信託されたものである。」
ことの理解が大切です。
2010年の大阪府民意識調査分析編でも
「『差別意識はさらに強くなっている』と認識
している人の人権意識が高いわけではありませ
ん。また、『同和問題は知らない』という人の
人権意識が低いわけでもありません。」として
います(P53)。