部落問題、学校で教えたことが逆効果?

 (答え)逆効果です。大阪府民意識調査に結果が出ています。


「人権問題に関する府民意識調査報告書(分
析編)」が2012年に出されています。そこ
では、人権学習について次のようにコメントさ
れています。
▼小学校、中学校、高校での学習が特に役に立っ
た(一番印象に残っている)と回答した人にお
いて有意な効果が認められない。(p69)
▼様々な学習形式の中で、効果のある学習形式
を見出すことはできない(p31)
▼ 「差別意識はさらに強くなっている」と認
識している人の人権意識が高いわけではありま
せん。また、「同和問題は知らない」という人
の人権意識が低いわけでもありません。(p53)
▼予期せぬ?効果?として、学習経験を積むほ
ど、『就職差別や結婚差別は将来もなくすこと
は難しい』という悲観的な意識が広がったとい
うことも指摘しておかなければなりません。
(p73・74)
「予期せぬ?効果?」とは白々しいものです。
1990年の府民意識調査でも、小中学校で
副読本「にんげん」を使って学習した者、大学
で部落問題学習をした者、人権啓発講座を受け
た者ほど、部落に対してマイナスイメージを持っ
ていることが指摘されていました。
2005年の大阪府「人権意識調査結果」に
ついても、同和問題について知ったのは「学校
の授業で教わった」が初めてと答えた人で、結
婚差別や就職差別を「なくすことは難しい」と
答えた人の比率が最も高く出ており人権学習の
なされ方に問題があると研究者から指摘されて
いました(石倉康次「大阪人権意識調査の虚実」
大阪府「旧同和地区」実態調査と人権意識調
査について』部落問題研究所、2007年3月)
学校での部落問題学習がマイナスイメージを
育てているのは「予期せぬ?効果?」でなく、
指摘されていたことなのです。