2分で分かる人権学習

*差別とは何かを教える教育
 差別とは、人間としてすべての人に平等に保障されなければならない基本的人権が制限されたり奪われたりすることをいいます。
 日本国憲法は、この基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」として、すべての国民にこれを保障しています。基本的人権には、平等権、自由権社会権基本的人権を守る権利があります。
 平等権とは、国民は平等にあつかわれることを保障されていることです。
 自由権は、国家権力(役所や警察や自衛隊など)によって個人の自由が侵されない権利のことです。
 社会権とは、すべての国民が人間らしく生活できることです。
 そして、基本的人権の保障とともに、国民もそれらの権利を守る権利があります。
 しかし、平等権だけを考えても、実際には?ということがたくさんあります。例えば、そうはいっても、雇用の場での男女差別を禁止した男女雇用機会均等法ができたのは憲法制定から40年近くたった1985年でした。それが改正されて「男子のみ募集」とかが原則禁止になったのは1999年でした。
 ハンセン病の患者たちが、不合理に差別されていた「らい予防法」が廃止されたのは、1996年でした。それまではほとんど感染から発病の可能性がないハンセン病の患者は、隔離されて文句が言えないという不平等な状態にありました。
 また、会社や役所では、正規雇用、非正規雇用(日雇、臨時雇、パートなど〉、学歴、さらには思想・信条のちがいなど、さまざまなちがいをくみあわせて、働く人に劣悪な環境や、差別的な賃金や労働条件を押しつけていることもあります。他にも、不合理な差別を受けている人びとはたくさんいます。憲法で人権が保障されていても、それがしっかり守られているかどうか、われわれ国民はつねに注視していかなければなりません。
 差別は、もともと人聞に差別する考えや,気持ちや優越感があるから生じたのでもなければ、また差別される人びとの側に何らかの理由があって生じたものではありません。ところが、目に見える差別は、人間が言ったり、したりしたことにあらわれるので、あたかも責任は差別し差別される国民のなかにあるかのようにみえるので注意が必要です。

日本国憲法の基本を教えることです
 1946年に公布された日本国憲法は、国民主権基本的人権の尊重、平和主義の3つの考えを柱として日本の進むべき方向を定めています。

基本的人権の尊重を教えることです
 「だれもが生まれたときから持っている、自由で平等に、人間らしく幸せに生きる権利」を日本国憲法は、永久の権利と定め保障しています。
 列記すると、
○健康で文化的な生活を営む権利
○言論や集会の自由の権利
○個人の尊重と法のもと平等
○教育を受ける権利
○居住・移転・職業を選ぶ権利
○生命・身体の自由
○働く権利
○裁判を受ける権利
○信教の自由
○労働者の生活を守る権利
○思想や学問の自由
○選挙する権利、選挙される権利
 などの具体的な事例、事実、現状を教えることです。
子どもの権利条約を教えることです
 1089年に国連総会で採択され、1994年に日本でも批准されました。子どもも一人の人間として、大人と同じように人権が認められていることを教えることです。

*新しい基本的人権も教えることです。
 個人的な生活などのプライバシーが守られる権利、暮らしやすい環境のもとで生活する権利などお新しい人権を教えることです。