(5)住居を選ぶ際の意識の状況から


 法的に同和地区がなくなって9年がたつ。にもかかわらず、八尾市長のように同和地区が今もあると議会で発言し、議員がそれはどこの地区かと尋ねると、尋ねることは差別発言だと公言する状況にある。行政がもう同和地区はない、これからもない、住民からの問い合わせに関しても、「もうない」と答えないのであるから、忌避意識が解消しないのはあたりまえである。そんな状況の中で旧同和地区に関して土地差別と結びつけたアンケートを行うのだから、忌避傾向がでてくるのは当然である。~
「避ける・どちらかといえば避ける」55,0% という結果も当然である。行政が土地差別と言うなかでも、避ける以外が45%もいることに注目すべきであろう。住民の方が健全なのだ。~
 さて住居の購入や入居を避ける理由であるが、「治安の問題などで不安があると思うから」54.3%、次いで「生活環境や文化の違い、言葉の問題などでトラブルが多いと思うから」45.8%、「次の移転の際、転売が難しかったり、安く処分せざるを得なかったりするから」が34.2%であった。~
 これらの理由は、どこの住居を選ぶ場合でも避ける理由として妥当な理由である。旧同和地区に限らないのである。上記の意識が生まれるのはなぜかと言えば、それはそのように意識せざるを得ない現状があるからだ。治安の不安をなくす、環境・文化の違いをなくす、トラブルをなくす、などの行政施策が必要なのだ。~