人権教育教材集・資料(平成23年度版)大阪府教育委員会作成
人権教育教材集・資料(平成23年度版)大阪府教育委員会作成
内容の分析と批判
1,はじめに
大阪府教委が部落解放同盟傘下の解放教育研究所を儲けさせるために作らせ、あやまった部落問題の認識を広げ続けた、解放教育副読本「にんげん」(批判を浴びて人権教育副読本という名称にした)が廃止になって万々歳であった。ところが、これまでの批判をよそに、府教委は人権教育教材集・資料を作成した。集団的な批判検討が必要である。
内容に関しては、旧にんげん極悪教材をもとに、文部科学省流の道徳副読本「心のノート」亜流教材をちりばめたものである。旧にんげん極悪教材に関しては、これまでこれまでの批判を参照にしていただきたい。「心のノート」については各方面から批判が出されているのでそれを参照していただきたい。
この教材集・資料には、「毒にも薬にもならない暇つぶし教材」や「それなりに役立つ参考教材・資料」も含まれている。よって、この教材集・資料を利用される方は、留意させたい。
さて、それではあなたはどのような教材であれば良いのだと言われれば、現在のところでは、以下のようなものがある。ハーバード大学のサンデル教授が授業で取り上げているように、結論を押しつけるのではなく授業者に考えさせる教材である。日本では板倉聖宣氏の仮設実験授業で用いられている道徳教育教材などである。道徳教育教材や人権教育教材は必要である。どのような教材が適切であるかの検討は、さらに必要である。
以下の各教材に関してコメント書いているので参考していただきたい。
2,(1〜3年生用)
*いまどんなきもち(極悪教材)
府教委お得意の、悪い見本を提示して、考えさせるという教材。
*生まれてきてくれてありがとう(意味不明教材)
お父さんや,おばあちゃんはいないのか。どうなっているのか分からない教材。
*大きくなったね(意味不明教材)
母子家庭の教材。父親はどうなったのだ、あいかわらず分からない教材。
*あそぼうよ(旧にんげん極悪教材)
無秩序、放任の学校生活が描かれている。学校に木にはだしで登っている子が今時いない。先生の姿はなく、安全の配慮すらない。ビオトーブに入って遊ぶ子がいる。車椅子の子がいるがサポートする者がいない。遊びのルールが全くない。
*わたしらもよせて(旧にんげん極悪教材)
友だち不信を前提した教材。はじめにけんかあり、いじめあり、のけものありという教材である。強い者は文句を言って仲間に入れてもらおうとする。弱い者はそれを見て勉強し、要求を出すという構造を学ばせる。しかも、問題解決の場面で終わってなくて、いじめあり、仲間はずれありという場面で終わっている内容である。かつて交渉の席で府教委の某氏は、「こんな人間になってはいけない、ということを学ばせるのだ。」と言ったが、悪い人間を見せてこんな人間になるなというのが府教委の人権教育なのだ。
*とりあいじゃんけん(旧にんげん極悪教材)
差別する側、差別される側の対立を前提とした教材。「あんた、いらん」という子がどこにいるのだ。みにくい子ども像を提示して、そんな子どもになったらあかんという内容。
*ボクとぼく
ほのぼの教材。いいんじゃない。
*みんなでぽかぽか
ほのぼの道徳教材。
*こんなことないかな(極悪教材)
悪い行動を行う子どもを見せて、そんな子どもになったらあかんという内容。
*うれしいおてがみ
普通の道徳教材。
*三組のクラスたいこうリレー
心のノートと同様教材。
*みみちゃん(極悪教材)
クラスでウサギを飼うことができるのか。不可能でしょう。旧にんげん教材で,クラスでニワトリを放し飼いするという教材があったが。
*いただきます
普通の道徳教材。
*なにをしているの(旧にんげん極悪教材)
悪い見本のオンパレードを見せて、こんな人になってはいけませんと教える教材。
*歩道きょうができるまで
普通の道徳教材。
*ばんごはんのしたく(旧にんげん極悪教材)
家族が協力し合う姿がなく、家族不信を植え付ける教材である。
*じゃんけんポンアイコでしょ(意味不明教材)
女の子の視点から見た男女平等教育の教材。
*すきないろでいっぱいに
ほのぼの教材。
*雨の日のものがたり(意味不明教材)
怪しい男女平等教育の教材。きょうび、傘のがらが男女のちがいになるのかな疑問。
*もやもや書き(旧にんげん極悪教材)
子どもどうしで糾弾をさせあう。理由があれば、暴力をふるってよいことを教える。人間関係は、告発糾弾と言い訳によって成り立っていることを教えるもの。仲間作りは、互いのよいところを見つけ合うことから始まることを忘れている。
*子どもはみんなたいせつ
普通の道徳教材。
*あそびめいじん
普通の道徳教材。
*いくつになっても
ほのぼの教材。
*おばあちゃんからのおくりもの
老人ホームへの偏見を持たせる可能性がある教材。
*手やゆびではなそう
普通の説明教材。
*ゆっくりゆっくり
普通の道徳教材。
*わたしたちの町やさしい町
普通の説明教材。
*こんにちわ
普通の説明教材。
*じゃんけんぽん
普通の説明教材。
*ええぞ、カルロス
普通の道徳教材。
*わたし・ともだち・おかあさん・おとうさん
普通の説明教材。
*電子メールがきたよ
心のノートと同様教材。
*大じしんのあったそのよるに
普通の説明教材。
*ライオンがいなくなったどうぶつえん(旧にんげん極悪教材)
全体主義的な好戦思想が見られる。大阪弁のガラの悪さが強調された、悪ふざけの悪文の羅列で、文学作品のレベルにすら達していない内容である。
*ピカドン(旧にんげん極悪教材)
原爆で立ったまま死んだ兵隊がさわると砂みたいにざらざらと崩れ落ちたというのは、明らかなウソ。ウソを教えていいのか。
*モットちゃんキットちゃん
普通の道徳教材。環境問題を個人に歪曲しているが。
*わたしたちにできること
心のノートと同様教材。
*なんじゃこりゃ
普通の道徳教材。ゴミに関して悪い行動を見せて考えさせる府教委的な手法。
*おうちのしごと せんたく(意味不明教材)
母子家庭を取り上げる。父親はいないのか。
*おかあさんのしごと(旧にんげん極悪教材)
改変される前は旧同和地区を肉屋や屠場と結びつける典型的な差別教材であった。そして地区のフィールドワークへと目を向けさせようとする教材であった。改変されても、その臭いは残っている教材。
*大きな手 大きなせ中
普通の道徳教材。
*はたらくお母さんはたらくお父さん
普通の道徳教材。
3,(4〜6年生用)
*心の答え合わせ(旧にんげん極悪教材)
指導力不足教員が書いたと思われる教材。春菜に対して予断と偏見を持っている教師を描いている。ウソ○に対する告発と総懺悔を行う学級作りをめざしている。
*こんなときどうする(極悪教材)
府教委流の悪い子探し、悪い見本提示からはじめる教材。
*心の中の宝物(意味不明教材)
ばらばらで、作文という形で主観的な重いと事実が提示される教材。
*「家族」への短い手紙(意味不明教材)
心のノートのものまね教材。わざとらしさが目立つ。
*感情のコントロール(意味不明教材)
心のノートのものまね教材。感覚的な認識方とプラグマチズム的解決法。
*「ことば」と「笑い」(意味不明教材)
心のノートものまね教材。感覚的な認識法とプラグマチズム的解決法。
*いじめについて(意味不明教材)
心のノートものまね教材。感覚的な認識法とプラグマチズム的解決法。
*カラスのイメージは?(意味不明教材)
心のノートものまね教材。感覚的な認識法とプラグマチズム的解決法。
*公平って何だろう?
心のノートものまね教材。考えさせる工夫は見られる。
*じゅん子のなかま(旧にんげん極悪教材)
品がないセクハラ教材。じゅん子とエミを対比して、男らしさ、女らしさを強調する教材。腹が立ったら、男女関係なく暴力行為を行うことはよいことだと教える教材である。
*好きなことはいろいろ(意味不明教材)
心のノートものまね教材。例示された物はわざとらしい。
*一票の権利
説明文教材としては使える。
*こんなこといやだ!
普通の道徳教材。
*わたしたちの権利
普通の道徳教材。権利と義務は対であることにふれるべきだ。
それは、教育、勤労、納税の3大義務だ。
*わたしのおじいちゃん ぼくのおばあちゃん
普通の道徳教材。
*まほうの笑顔
普通の道徳教材。
*トモくんのけしゴム
普通の道徳教材。
*みえないってどんなこと?
普通の説明文教材。
*職人の技(旧にんげん極悪教材)
太鼓作りと同和問題を結びつけて教えることを意図している。つまり、太鼓作りをしている所は「旧同和地区」である。太鼓作りの仕事をしている人は同和地区の人である、と教えるわけです。「旧同和地区」はまだある、同和地区の典型的な産業はこれだ、などと教えていて、同和問題の解決はあり得ません。
*ほんまにやさしいまごでっせ(旧にんげん極悪教材)
識字学級宣伝教材。
*読み物「渋染一揆」(旧にんげん極悪教材)
物語とあり、歴史的事実に基づかないウソを教える教材。近年の歴史研究に基づいたものでなく、貧農史観に基づいた怪しい教材の見本。
*アイヌの人たちのことを知ろう
普通の説明文教材。
*わかってくれるかな(旧にんげん極悪教材)
在日の子どもに本名を考え宣言をせまる教材になる。大人が無理にやり作った本名宣言亜流教材である。
*私の町のいろんな国の人
普通の説明文教材。
*コリアタウンへようこそ(意味不明教材)
韓国人と朝鮮人を区別して使用しているがその区別方法が不明。
*ちがうことこそすばらしい
独白形式の説明文教材。
*メールはむずかしい?
心のノートものまね教材。現代的な問題意識はある。
*ヒロシマには歳はないんよ(旧にんげん極悪教材)
被害告発主義の教材。
*学校に行きたい
普通の説明文教材。
*世界で起こっていること
普通の説明文教材。
*働くひと
普通の説明文教材。
*一心不乱に磨く
普通の道徳教材。
*これだけはわかってほしい(旧にんげん極悪教材)
一方的な意見の押しつけ教材。」
*夢を大切に(旧にんげん極悪教材)
一方的な自分探しと仕事探しの押しつけ教材。
4,(中学校用)
*私のもちあじ
心のノートものまね教材。心がけ対応主義。
*どう伝えればいいでしょう
心のノートものまね教材。心がけ対応主義。
*いじめはいらない
心のノートものまね教材。心がけ対応主義。現代的な問題意識はある。
*「家族」への短い手紙
心のノートものまね教材。悪くはない。
*おじいちゃんの命(旧にんげん極悪教材)
皮革産業から部落問題学習へと意図的につなげる教材。
*育児休業を考える
普通の参考資料教材。
*結婚について
旧民法、旧憲法と新民法、現憲法との対比が必要。
*自分も相手も大切に
普通の参考資料教材。
*わたしたちの世界人権宣言
普通の参考資料教材。
*ありがとう
普通の道徳教材。
*ふれあい喫茶「きぼう」
普通の道徳教材。
*ほんまの「自立」って何やろね?
普通の道徳教材。
*夕やけがうつくしい(旧にんげん極悪教材)
手紙の宛先は森田ますこ、差出人は北代色である。書かれた日付は昭和四十八年二月二十八日である。今回も森田の返信を取り払い、手紙を消してもともと手紙だったのを分からなくしているのである。作品改竄である。この森田は、解同高知県連の役員で議員もやった人物で、差別事件をでっちあげたり、種々の利権にも手を出し、最後には刑事告発されて、有罪が確定した前科者である。この北代という人物が、誰のために、誰のようになりたいと思ってこの手紙を書いているのかということを忘れてはならない。つまり、森田のような人間になりたいと手紙に書き、森田も北代に対して、私のような人物になりなさいと言っているのだ。大阪府教委は、つまり森田のように刑事告発されて前科者となるような人間になりなさいとこの教材で教えているのだ。とんでもない教材がいまだに載せられているのである。
*ゆきの選択(旧にんげん極悪教材)
俺は、私は、部落出身者だといつまでも言いつづける人間を作る教材。部落差別は許さないと口では言いながら、部落は**地区だと教え、**さんは部落出身者と教えるような、部落地名総監作りをやろうという教材。
*部落史を歩く(旧にんげん極悪教材)
「部落史を歩く」の中で、ある部落では・・・この部落では・・・という具合で、次から次へと部落部落が連発され、読めば、ここで出てくる部落というのは、どこの地区を指しているかがすぐわかるという教材。
*みんなにつたえたい(旧にんげん極悪教材)
解放同盟流の識字学級論の教材である。
*自由の大地アイヌモシリに生きてきた人々
普通の参考資料教材。
*アイヌの人々
普通の参考資料教材。
*願いが込められた私の「名前」(旧にんげん極悪教材)
本名宣言を促す教材。
*人間の絆
普通の参考資料教材。
*ハンセン病について知ろう
普通の参考資料教材。
*打ち明けてくれてありがとう(意味不明教材)
エイズの原因に関して触れられていないのは問題である。薬害であればそれに触れるべきである。
*インターネットと人権(旧にんげん極悪教材)
部落民宣言をした人間が、人権と言って部落出身を売り物にする姿を描く。三重県人権問題研究所の事務局長だった田畑氏のホームページ「反差別ネットワーク人権研究会」には、かつてスポンサーのページというのがあって、そのスポンサーがなんと、「100万円まで即日・・・モリオン」「クレジットはライオンクレジット」「モビット」であり、批判を受けて取りやめたのだった。
*写真の中の少年(意味不明教材)
普通の参考資料教材。かなりの説明がなければ意味の理解はできない。
*友の死を忘れない(意味不明教材)
相当な説明がなければ生徒は理解できない。
*今日も誰かが(意味不明教材)
相当な説明がなければ生徒は理解できない。
*いま地球がたいへん
普通の参考資料教材。
*卒業(極悪教材)
在日、部落へと目をわざとらしく向けようとさせる教材。